もちろん自作の雨戸、框戸の入った正面。
引き開けて入ると、巾半間強の土間は中庭へ、
そして奥の倉庫へそのまま伸びている。
土間の左が1階の居住区。右に事務所。
といっても「小上がり」というかんじのつくりで、
簡単な応接セットと事務机が置いてある。
中庭に出るところに、左右の床にかけて
板一枚の橋がかかっている。
左の食堂から右へ橋を渡ると階段。
2階へあがる階段室の途中から上は「指物」の
展示場のようにありとあらゆる技を使った
組子が楽しい。
いや言いたかったのは、中庭と直接つながった
事務所だった。
言うたら外です。ストーブひとつ。
応接にあがっても外着のまま。仕事しててそのまま
外に出たり入ったりぜんぜん億劫でないし、
とても活動的で、70を過ぎた社長も元気元気。
夏に設計すると、涼しさ、クーラーが話題になる。
冬だと暖房。でも体を動かして服を着れば解消する
ものでもある。
この昔のつくりの家の「冬の構え」に触れて、
やはり「夏涼しい家」の方が優先かなと、
冬でも思ったわけです。そう『徒然草』。