まずは、文庫主人の言う「『むしやしない』にしかなりませんが」
作ってくれた、万年山のお父さんは「ほんの『むしおさえ』じゃ」
どちらも「腹の虫を静かにさせる」、つまりは「ちょっとした腹ごし
らえ」というような意味らしいです。どちらも初めて聞きました。
これです。「鮎雑炊」。
好きな食べ物?と聞かれると必ず「鮎と鯖」と答えますが、
鮎雑炊は生まれて初めてです。
「今年は水が少のうて鮎がこまいけんな、こまいんは
これがええんじゃ」とお父さん。造園のお弟子さんが
毎年この時期にくれるのだとか。
いやーたまりません。鮎の身がつるっとして、かむと
鮎の味、香りが口中に広がります。味噌味がまた濃い目で
その鮎のすべてとと溶け合って至福。骨もんまいんよな鮎は。
万年山の季節限定メニューに是非加えてほしいなあ。
というか、とりあえずまた食べたいなあ。雑炊なんやけど、
お酒飲めそうです一緒に。
その後の打合せ、全く新築にする案を提示する。
ほんまにかわいいサイズの家と店。文庫主人がひとこと、
「階段廻ってないんですねー」
ぐっ!!
前の案の一番の特徴やし私も廻したかったんですが
どう考えても廻せなかったんです・・・
言い訳しながら、その一言の重さが胃の下のあたりにつめたい
氷のように重く感じて、その場でもっかい考えた。
打合せの最中にエスキースするなんてはじめてでしたが
打合せの度に京都から帰徳されている状況もあり、どないぞこの場で
糸口だけでも・・・
日本画家のおかあさんからトレペ分けてもらって。
おお、廻った。なんかわすれてないか?
いや全部ははいっとる。万年山文庫のもひとつのテーマ
「軒下」を分けるかひとつにするかが廻す廻せないの
分岐点だったのね。ほんまにうれしい。うれしくて、
「飲みに行きますか!」いうたら「行きましょう!」
もう九時過ぎてましたが、まちへ。
「階段廻せた記念で乾杯!」あーよかった。