タンスやらなんやら。
自分の家ではないけんどさみしい。
まっさらでこの家に運び込まれた何十年前とは
気分がちゃうだろな彼らも。
ほなけんど、いっちゃん古いンは家が建った昭和4年
からほんの三年前までずっと使われてきて、そろそろ引退気分
というか静かな余生というか、のんびりしようとこに突如、
「え?壊すんですか?」
「この家?」
「わてらは一体どないなコトに!?」
と気が気でなかった(であろう)ところに、
まあようけの引取り手が次々と(嬉)!!
障子や襖はもちろん押入れの棚板やらなんやら、
タンス、水屋、炉(お茶の)、ラジオ、欄間、手スリ、
ソファ、テーブル、掘りごたつ、ポスト、仏具、三味線、
画集、ソケット、フック、欄干、フォンデュセット、
着物関係の道具、型紙、えーと、ドアノブ、小箱、
湯たんぽ、ガラス、庭石、灯篭、敷石、つくばい、
違い棚、壺、灰、ふた、金物・・・
最後にはもうほんま空っぽに近くなりました。
これはしかしすばらしいよなあ。トラックにがしゃがしゃ
積み込まれてズザーっとか下ろされて砕かれて焼かれる
こと思たら(激しすぎるかな表現)、
えーと数えると二十(!)近くの家庭にまた再デビューして、
しかも「あっこれ、ほしい!っ」と思ってくれた人に使って
もらえるなんてな。
「これいいですか?」と、声がかかるたびに
「お、行き先決まったン?よかったなあ」いう気分に
最後のほうはなってましたよマジで(笑・・・
来週からフクブルが解体作業に入ります。
その際外廻りの建具はずしてもらって、希望の方に引渡して終わり。
本体にもやはり心残るよな。どないもしゃあないけど。