最終日は興味深い講演が目白押し。のひとつ。
ブータン王国首相、ジグメ ティンレー氏
ステージ中央でまずは深くお辞儀をされて、演台へ。
同時通訳(五カ国語。さすが世界大会!)のレシーバーを
つけるも、聞き取りやすく言葉を切ってくれる話法だったのと、
ちょっとわかるもんやから英語と通訳とがこんがらがって
いらいらしてしもて、レシーバーはずして生英語に挑戦。
・・・半分わかっただろか(笑
「みなさん、まず笑って下さい!!」
「幸福についてはなすことはとてもシリアスなこと、
今のうちに笑っとておきましょう」と。
場内大うけして、すぐみんな引き込まれていった。
まずは被災者の方々へのお悔やみを述べられ、震災を受けての
日本人の振る舞いの素晴らしさなどを賞賛してくれたあと、
基調講演は始まった。
先進国が気にするのはGNP(国民総生産)に対して、
氏はGNH(グロス ナショナル ハピネス)を提唱されています。
『国民総幸福感』の話がメインでした。
我々としては、建築家の役割とは何か?なにかヒントが?との思いで
お越しいただいてしているわけですが、逆に後半、ぎゅっと問われました。
「よく考えて下さい」
「あなたたち建築家には、いったいなにができますか?」
「世代を超えて、人と人をむすぶのに、建築家にできることは?」
「古代からの智恵。緑の使い方もよく考えて」
「あなた方は施主にたいして、サスティナブルということをどう
説得するつもりですか?」
「人工的なものは最小に・・・どのようにしたら可能ですか?」
「原子力を、あなた方建築家は、2050年までにどうするんですか?」
「便利さとはなんですか?」
「あなた方のするデザインは、どのように環境に寄与できますか?」
「あなたがたは本当に『美』を創出できますか?」
「材料から、考え直せますか?」
「作った野菜を運ぶ距離を短く」
「農業として成立するもの以外にも、窓際で、庭で、屋上で野菜を」
「今世界人口は80億近い。2050年には90億。建築家ができることは?」
「道のデザイン、交通の再構築に何か考えはありますか?」
「あなた方のやわらかい子宮から、なにが生み出せますか?」
「若きを愛し、老いをうやまう建築とは?」
「建築家を含め、われわれは「よいしくみ」をつくれずにきたのでは?」
「何もできてないです」とみんな思ったでしょうね。
おわるとスタンディングオベーションでした。
質疑応答もよかった。
ーあなたのその取り組みは、教育の場では具体的にどうなっていますか?−
「子ども達にたずねた事があります、なにか変わりましたかとすると、
『先生が礼儀正しくなりました(笑』と」
「うちの親は以前は、駐車場が無くていつもそれが不満でしたが、最近は
そうでなくなりました」『歩けばいいじゃない』と」
『私には家族がいて仲間がいます。とても『リッチ』だと思うようになりました』
−あなたの方針に抵抗はありませんでしたか?−
「一切なかった。うそじゃありません。」
「そうあるべきだとみんなはじめから思っていたわけです。」
ありがとうございました。