対岸の斜面を見る。
拡大。
茅葺屋根を青いとたんで包んだ民家。
山側に茅場。カヤを積んだコエグロ
が並び、周囲には茶畑、竹林、畑、
果樹、クヌギの木、様々な農業の形
があって、そこで完結している。
もちろん湧き水があって。
場所によって土質は異なる。適地適作
はよく言われるが、ここではさらに
適方式。
この斜面地でいかに耕作して作物を育
てるかが考え抜かれて、独自の形態を
とっている。コエとしてのカヤを刈敷
することが家のまわりの農業をまわす。
北斜面の方が豊か。陽は当たりすぎる
とよくない。午前中2時間育成光線が
あれば十分。
下から斜面をあがっていく霧が畑に
木々に水分を補給する。
静岡や鹿児島の茶畑には扇風機と散水
がつきものだがここでは何もいらない。
結晶片岩、地すべり地帯の豊かな土壌。
百品作るから百姓・・・。
道端で話を聞いていると、すぐ近くの
家から声をかける人が。林さん旧知の
山の「先生」。ご自宅に招き入れて
いただく。
深い軒、鯉が泳ぐ湧き水の池、薪、
たけのこを炊く鍋が湯気を上げる中庭。
ええなあ。
ほんでお茶、お菓子を出して下さる。
小屋平に行ってもそうやなあ。
「こないしてお茶出してくれるんは
豊かやけんなんよ。川下よりここらの
人の方が生活がゆっくりしとんよな」
ご主人が趣味でされる桑の木細工の
並ぶ水屋に
またたび酒が。
耳鳴りに効くらしい。
・・・まだ入り口なんやけど(笑