村野藤吾はどちらかというととても好き(笑)
圧倒的な作品数。
カラフルで本当に多様な、ひとつひとつの建築。
「99パーセントクライアントの要望を聞く。
残りの1パーセントに自分を込める。
ことで、村野建築になる。」
という有名なせりふ(細部は定かでないです)
執拗に繰り返されるスケッチ、現場での設計変更の記録。
工芸品のようなディテール図面・・・に、見入る。
全然違うけど日本の二大建築家、丹下健三と村野藤吾。
丹下健三は、どこらへんからか自分の手の後を残さなく
なって、これは新しい素材への追随とか、ものの規模が
あまりにも大きくなったとか要因はいろいろあるけど、
元々建築に対するアプローチが違うんだと思う。
と、村野藤吾の生図面とかスケッチ見ていて思った。
壁面に魚のレリーフがあったり、幾何学的な文様を描き
込んでみたり。椅子やテーブルの設計、照明器具、空調の
噴出し口。椅子の背の生地への刺繍まで。
われわれが(というか、わいが)、ああ、ここから先は
建築じゃない。とか、シンプルでいっときましょか、とか
してしまっている、建築への取り組み、建築の支配領域を
あざ笑うかのような、建築をいつくしむ心、どこまででも
かかわろうとする姿勢。
図面を読むってものすごい作業だということもあらためて
思った。
「見やすい図面描きよ」
「見てわかる図面描きよ」
と、スタッフに言うけど、そんなこといいながら実は同時に
「しっかり綿密に詳細に考えて描くことから逃げているのかも」
とも思ったなあ。
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